わがままなメニュー
朝メシも食べず、俺はブラックコーヒーで朝を迎えた


花乃子は多分休日出勤だろうな…展示会も近いし


お昼は近くの牛丼屋で済まそう


夜はコンビニの弁当でいい…


花乃子がいなくなったとたん、俺の食生活は乱れに乱れた


ほとんどが外食とコンビニである


手作りの料理が恋しい


キッチンに立つ花乃子が懐かしかった


女々しい奴だと笑ってくれ!


自分でカッコつけて『距離置こう』なんていって、我慢出来なかったのは俺のほうだ


明日は必ずヨリを戻してみせる。花乃子に一人のクリスマスなんて過ごさせない!


いやいやパーティーや合コンなんて行かせない!

俺の鼻息が荒くなる



昼すぎに、家を出て牛丼を食べに行った


ここで食べて帰るか…いつもならお持ち帰りなんだが


カウンターに座り大盛りのつゆだくを注文した


カウンターに牛丼が来た時、隣に女性が座った


珍しいな…女性がカウンターに一人なんて


『あ…長谷川さん…』


『あれ?谷口さん?』


そこには髪をアップしたすっぴんの谷口しのぶがいた


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