わがままなメニュー
『谷口さん、この近くなの?』


『はい…反対側の公園のほうです。長谷川さんこそ…』


『俺はこの並びのマンション…奇遇だなぁ。ここはよくくるの?』


『月末はいつもここです。恥ずかしながら…料理苦手だから…あ、道成寺は料理なんでもできますよ』


『女の友情?悪いけど…俺道成寺さんには全然興味ないよ…そりゃ美人でいい子だけど、それだけで好きにはなれない』


『美人で性格よかったらいうことないじゃないですか』


『それをいうなら、谷口さんだって美人だよ、友達思いだし…彼女に比べたら多少大人しいけど』


俺何言ってんだ?別に慰めてはいないが…


正直に言えば、俺は道成寺さつきより、谷口しのぶのほうに興味があった

俯きかげんで牛丼を食べる谷口しのぶ…すっぴんに関わらず、肌も綺麗でまつげが長かった


こら!長谷川晴彦!明日は花乃子に告白しにいくんだろ?


後輩の女の子にうっとりしてどうするんだ!


ちゃんと気合い注入しろ!
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