わがままなメニュー
『俺は明日、彼女とよりを戻すつもりなんだ…図々しい奴かもしれないけどな』


『やっぱり彼女さんの事愛してるんですね…』


『結婚を嫌がる女だけど…今は目をつぶろうと思う。結婚だけが幸せじゃないから』


『でも…長谷川さん…納得いってないみたい』


谷口しのぶの一言が、心に刺さった


図星…彼女はどこまでカンがいいんだろうか


確かに納得はいってない。でも他の男なんかにとられるよりマシだ


店を出てしばらく二人で歩いた


『谷口さん、今日みたいにさ、もっと顔をスッキリだして仕事すればいいんだ。暗いイメージ無くなるよ』


『私はいいんです。昔からこうでしたから今更スタイル変えるのって無理…それに最近、今の仕事向いてるのかな…なんて思ったりしてます』


『どうして?仕事は男並にしてるじゃないか』


『それが疲れるんです。私気が強いところあるからやっていけてるだけで…ホントにやりたい仕事じゃないんです』


『じゃあ何がしたいの?』


『昔からの夢だったんですけど…雑貨屋さん。のんびり、一日を楽しみながら仕事したいんです』


谷口しのぶの意外な言葉に、俺はびっくりした
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