わがままなメニュー
『意外だな…』


『内緒ですよ。誰にも言ってない事ですから。今貯金してるんです』


『自分の未来に向かってるなんて素敵だと思うよ。いろんな苦労待ってると思うけど頑張れよ』と俺は彼女に言った


なんでこの素直な言葉が花乃子に言えないのだろうか?


他人事だから?花乃子を束縛したい気持ちの表れ?


谷口しのぶと別れてからも、ずっとそのことを考えていた


結局俺の結婚願望は自己満足なんだって


腹がたつから『距離置こう』なんていったり…子供じみている


明日花乃子は許してくれるだろうか?


そして前みたいな生活送れるのだろうか?


不安と期待が入り交じった気持ちで24日は訪れた


俺は早めに花乃子の会社に行き、彼女を待っていた


その時だった


花乃子が一番気に入ってるワンピースを着て会社からでてきた


後ろにはダンディな男性がいて花乃子をエスコートしながら歩いてきた


花乃子は嬉しそうにタクシーにのる…


もう男に目をつけられたのか?


俺はわなわなと奮えながら一人居酒屋へと向かった


今日は誰もいらない。一人飲みだ…


悲しい酒になった
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