わがままなメニュー
ある日宅配便が届いた


中身は…


晴彦の部屋に置いてあった『お泊りセット』だ


ちょっとムカッとしたけど、諦めがついた


捨てられたほうがよかったのかもしれないけど…

私はメールをした


【宅配便届きました。今までありがとう。お互い元気で頑張りましょう。さようなら 花乃子】


そしてそのまま晴彦のメモリーを消却した


返信は無し…


私はビールを開けるとちびちびこたつで飲んでいた


終わった


これで堂々と新しい恋ができるってもんよ


そう言い聞かせて私は寝転がった


ふと携帯が鳴る


『晴彦だけど…』


『なんで電話なんてしてくるのよ。メールでじゅうぶんでしょ?』


『花乃子がわからなくなった。距離置いてる間にパーティーいったり、若い男と映画行ったり…』


『私のあとつけてたの?』


『たまたま目に入っただけ。このままじゃいけないって…何回か電話しようとしたんだ。ホントだよ』


『誘われて暇だからいっただけよ。しかも仕事つながりだし…私の持ち物、目障りだった?だったらごめん…』


『そうじゃない、少し辛かったから…俺、やっぱり花乃子が好きだし別れられない…勝手な言い分だけど、後悔してた』


『いまさら何いってるの?』


『リセットしてやり直したいんだ。だから花乃子の持ち物送り返した』


『晴彦…』


『愛してるから…』


私は涙を抑えることができなかった
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