わがままなメニュー
バレンタインが近づいた頃、私は晴彦にカウチンのセーターを編んでいた

バレンタインだけは手作りのプレゼントに…


『あと少しで出来上がる!頑張らなきゃ』


深夜も2時、そんな時携帯が鳴った


『寝てた?』


直田秀彦!こんな夜中に!



『普通なら夢の中よ。今日は起きてた』


『何してるわけ?』


『そっちこそ』


『俺は仕事。なんかアイデアづまりってとこかな』


『私は…セーター編んでんの…』


『健気だな。バレンタインに手編みのセーターなんて。都はるみもびっくりだよ』


『いつもなにか手作りって決めてんのよ。今年はカウチンセーター』


『あったかそうだね』


『もうすぐ出来上がるから邪魔しないで。はやく仕事済ませてくださいな』と私は電話を切った



やっと出来上がったのは3時過ぎだった


私はおちてくように眠っていった
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