HAPPY BIRTHDAY
頑固親父が厨房に下がると、直ぐに、うなぎを焼く良い匂いがお店の隅まで行き渡った。
10分程待つと、アルバイト風の娘がうな丼を運んで来た。
テーブルの上に置かれたうな丼は、頑固親父が言う通りだけの事は有る逸品だ。
分厚い身はそこらのうなぎの倍は有るかと思う程である。
箸を入れると、それだけで軟らかさが伝わって来た。
『良いうなぎだ!』
思わず独り言を言ってしまうほどの逸品だった。
これでも、うな重上では出せないとなると、益々うな重の上が食べたくなる。
小さな声で『誕生日おめでとう』と自分に言うと、うなぎを一口、口に入れた。
感想は・・・・・
頑固親父に、称賛の拍手を送りたかった。
飛び切りの上手い“うな丼”を食べて満足した。