天使で悪魔なキミと俺
そのいち
俺の日常「1」
この空間は、いつ来ても怠い。
クーラーが効きすぎてるし、空気も重苦しい。
「先生、この資料も頼むよ」
「あ、はい」
俺……向日 葵(コウガアオイ)の勤めるこの中学校は、若い人が少ないからか、よく雑用を任されたりする。
……なんで俺ってこんなに若いんだろー、なんて思ったりしないぜ。
だって隣の先生(生徒からのあだ名はハゲ)の視線が痛いから。
詳しく説明すると、先生の視線は俺の一番上のとこ……すなわち、つむじ、所謂フサッとしたところを見ているわけでありまして。
俺だって良心を掛け合わせてるから、心が痛む。
……フサッとしてて、すいません、はい。