天使で悪魔なキミと俺
「……先生、私、学級委員長がやりたいです」
「……あ、あぁ。分かった」
正直、呆気にとられた。
彼女が進んで学級委員長になりたいと言い出したのもそうだが、声が余りにも透き通っていたから。
「じゃあ、これから石蕗に委員会決めを頼んでいいかな?」
「……はい。分かりました」
彼女……石蕗は淡々とクラスをまとめ、話を進めていた。
そして、俺は石蕗に見とれていた。
美しいとか、可愛いとか、そんな言葉では言い表せない。
それこそ鈴蘭のように、健気で純粋で……って、何を考えてるんだ、俺は。
……もしかしたら、石蕗との出会いこそが、俺の求めていたものなのかもしれない。