天使で悪魔なキミと俺
 




職員室に呼び出したりした覚えはないけど……。

待たせちゃ悪いし、すぐに行くか。

「お待たせ……」

そこにいたのは、うちのクラスの女の子だった。

「枝垂?」

彼女の名前は枝垂 桃(シダレ モモ)。

1年生のときは俺の担当クラスじゃなかったはずだ。

「先生、こんにちは」

小さな、蚊の鳴くような声。

「こ、こんにちは」

「一緒のクラスに、なれましたね」

「そうだね」

「本当は桃も、学級委員長になりたかったんですよ」


 
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