あたしと彼と白いキャンバス
『お詫びに食事でもどうかな』

「…なんかの罠ですか?」

『罠って。君は俺を狩人かなんかだと思っているの?』

「そう意味じゃありません」

『怒ってる君も好きだよ』



…なんなんだこいつは!

からかわれているとしか思えない。


携帯を持つ手に力がこもる。



『じゃあ、お詫びじゃなくて先輩命令にするよ。俺と食事しなさい。12時に迎えにいくから』



一方的な言葉を残して、プツッと通話が途切れた。


――勝手過ぎる!
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