あたしと彼と白いキャンバス
「ほら、乗って」

「や、ちょっと待って…」

「文句はあとで聞くから」


先輩は優しい声と優しい表情で、あたしを強引に車に乗せた。




「あの…どこに行くんですか?」

「君を俺の家にご招待するんだよ」

「…マジですか」

「マジです」


篠宮千里の家は金持ちである、とは学校内で有名な話だ。

なにをどうして金持ちなのかはあたしは知らないけれど、

噂になるくらいだから本当なんだろう。



か、帰りたい…。
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