あたしと彼と白いキャンバス
2.厄日
学校を休んで、次の日。
ホームルームがはじまるギリギリの時間に教室に入る。
クラスメイトの何人かがあたしをちらりと見て、すぐに視線を外した。
「おはよう、小早川さん。昨日、休みだったね。どうしたの? 風邪?」
ひとりだけ、女子が話しかけてくる。
柔らかな笑い方をする、女の子らしい女の子。
クラスで浮いているあたしに、この子だけはいつも話しかけてくる。
「別に。面倒臭くて」
「そっか。小早川さんもサボったりするんだ」
クスクスと笑っている彼女の前で、きっとあたしは能面のような顔をしている。
「昨日ね、放課後教室でお喋りしてたら、美術部の先輩が訪ねてきたよ。小早川さんが部活に来ないから心配したみたい」
「…そう」
きっと、あの男だ。忌々しい。
ホームルームがはじまるギリギリの時間に教室に入る。
クラスメイトの何人かがあたしをちらりと見て、すぐに視線を外した。
「おはよう、小早川さん。昨日、休みだったね。どうしたの? 風邪?」
ひとりだけ、女子が話しかけてくる。
柔らかな笑い方をする、女の子らしい女の子。
クラスで浮いているあたしに、この子だけはいつも話しかけてくる。
「別に。面倒臭くて」
「そっか。小早川さんもサボったりするんだ」
クスクスと笑っている彼女の前で、きっとあたしは能面のような顔をしている。
「昨日ね、放課後教室でお喋りしてたら、美術部の先輩が訪ねてきたよ。小早川さんが部活に来ないから心配したみたい」
「…そう」
きっと、あの男だ。忌々しい。