あたしと彼と白いキャンバス
あたしは浮いてる、けど。

こんな異様な緊張感に包まれたことはない。


志乃は俯いている。

あたしと目を合わせないようにしているようだった。


あたしは唾を飲み込み、自分の席に着く。



嫌な予感がする。

頭の中で鳴り響く警戒音。

まさか、まさか、



携帯にメールが届く。


『調子乗んな』


知らないアドレスだった。

数人の女子がクスクスと笑った。

志乃の周りを囲む、数人の女子が――。
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