あたしと彼と白いキャンバス
「千里先輩とどこ行ったんだよっ」


ヒステリックな声があたしの鼓膜を刺す。



横目で志乃を確認すると、彼女は自分の席に座っていた。

あたしのほうを見て、
またすぐに逸らす。


…顔色が悪い。




「なにやってんだよ女子」

「こえー」

「あたしたちの千里先輩をとらないでえーってか」

「少女漫画によくあるやつだろ」


様子を見ていた男子が茶化して、笑う。
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