あたしと彼と白いキャンバス
ピンポーン。

またインターホンが鳴る。


あたしはキャンバスを置きっぱなしにして玄関に向かい、扉を開けた。


そこにいたのは

小さな女の子と線の細い女の人で、



「ゆいおねーちゃん!」

「突然来ちゃってごめんなさいね、結ちゃん」



「――エリカ。…ミカさん」




1年前にできたあたしの『家族』だった。


「年末年始も帰ってこないから心配で、様子が見たかったの」


ミカさんは柔らかく微笑んだ。
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