あたしと彼と白いキャンバス
あたしはエリカに使いかけのスケッチブックを渡した。


「白いページにお絵描きしていいよ」

「うん!」


一緒にクレヨン(子供が使うには高価なクレヨンだけど)を渡すと、

エリカは大喜びで絵を描きはじめる。



…ああ、ミカさんがこちらを見つめている。




「――えっと。飲み物がなくなりそうなので買ってきます」

「あ、買ってくればよかったわね。わたしったらなにも持たずに訪ねちゃって…」


「いってきます」



バタバタと足早に部屋を出るあたしを、ミカさんはどんな顔で見ていたんだろう。
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