あたしと彼と白いキャンバス
あたしのお母さんは、
あたしを生んですぐに死んでしまった。

もともと身体の弱い人だったらしい。


それでもあたしはお母さんが大好きで、お父さんもお母さんが大好きで、

それがずっと続くんだと思ってた。

当たり前みたいに。




『結ちゃん、今日から家族ね』




だからあのとき、ミカさんが魔女みたいに思えた。

この人はお父さんを騙してたぶらかした悪い魔女なんだと。



そしてミカさんと再婚したお父さんを許せなかった。

お母さんを忘れたみたいに振舞ってほしくなかった。
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