あたしと彼と白いキャンバス
驚いたあたしは反射的に身体を反らせる。

――頭頂部に衝撃が走った。


「いでっ。…まさかこの俺様に頭突きをするとは…」


振り返ると、痛そうに顎を手で押さえる新太郎先輩がいた。



「い、いつの間にあたしの背後に…!?」

「お前が気づかなかっただけだろー。熱心に千里のこと眺めててさ」

「別にそんなんじゃ…」

「般若のような顔で睨んでた」

「……っ」

「なんかあったんだろ?」



この野郎!

空気読まないくせに勘は鋭いってどういうことなんだ。
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