あたしと彼と白いキャンバス
新太郎先輩の乱暴な手はあたたかくて優しかったけど、
篠宮先輩に撫でられた感触とはあまりに違うから余計にあの白い手を思い出す。
やばい、目の前がぼやける。
「げ。なんだよお前、泣くなよー。顔がバカになるぞ」
「…うっさい」
「いいもんやるから泣くなって」
「…いいもの?」
「ほれ、」
新太郎先輩は白い紙袋を取り出した。
甘い匂いがする。
「俺様特製パウンドケーキ。早起きして作ったんだから、心して食え!」
潤んでぼやけた視界の中で、お日様みたいな笑顔が弾けた。
篠宮先輩に撫でられた感触とはあまりに違うから余計にあの白い手を思い出す。
やばい、目の前がぼやける。
「げ。なんだよお前、泣くなよー。顔がバカになるぞ」
「…うっさい」
「いいもんやるから泣くなって」
「…いいもの?」
「ほれ、」
新太郎先輩は白い紙袋を取り出した。
甘い匂いがする。
「俺様特製パウンドケーキ。早起きして作ったんだから、心して食え!」
潤んでぼやけた視界の中で、お日様みたいな笑顔が弾けた。