あたしと彼と白いキャンバス
ポケットから携帯を取り出してメール画面を見せる。

受信拒否してもアドレスを変えてやってくる、悪口メールの数々が並ぶ。


『死ね』

『消えろ』


本当は重いはずの言葉が軽く執拗に書きたてられて、

あたしの携帯には無数の悪意が閉じ込められている。



「あんたのせいなんだ、全部!

『先輩に近づくな』ってなんだよ、なんなんだよ。あたしから近付いたことなんて一度もないのに!」



ぶちまけて、
もっと嫌われて、
先輩への想いを絶って、
引っ越して。

それで終わりだ。
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