あたしと彼と白いキャンバス
「違うと思うけどな。ああいう面倒なことする理由がねーし」



理由…動機か。

確かに思いつかない、けど。



――ああもう。


考えてもわからないんだ、やめよう。





脳裏に浮かびかけた先輩の顔を、頭を振って打ち消した。



「…ていうか、学校は警察に通報したりしなんですかね」

「しないんじゃね? 風船だのペットボトルだの、事件にするには小さいし」

「うーん」

「犯人が生徒だったら、って考えたら簡単には表沙汰にできねーんだろ」

「…なるほど」
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