あたしと彼と白いキャンバス
「夜中に千里の親から連絡きてさ。俺んちに泊まってないかとか、遊びに行きそうな場所知らないかとか。

知るわけねーよ。あいつ、夜遊びなんかしたことないんだぜ。

ケータイに電話してもすぐ切りやがるし、メールしても返事ねーし。今日は学校来てねーし。

今頃どこでなにしてんだか」



先輩は一気に早口で捲くし立てた。

心配してるんだとわかる。



「チビちゃんもあいつの居場所わからん?」

「…わかりません」


あたしには頷くことしかできない。






――どこに、行ったんだろう。



いつも他人の心を掻き乱していくあの男は。
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