あたしと彼と白いキャンバス
心を殺したような絵だ。



どうしてこんな絵が描けるの。

こんなものを描いて楽しいの。



美しい表面で、
内面を隠している。

まるで先輩そのものじゃないか。



ポケットから携帯を取り出し、絵を見つめながら操作した。


プルルル、プルルル、プルルル――。


何度か呼び出し音が響いたあと、





『………小早川、さん?』




あたしの携帯は篠宮先輩に繋がった。
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