あたしと彼と白いキャンバス
「…なにしてるんですか」

「あれ、起きた?」


スケッチブックから顔を上げた先輩が、あたしの顔を見つめる。

それからニヤリと悪戯っぽい笑い方をして。


「目が覚めたら、小早川さんが寝てるからさ。これはチャンスだと思って…」


あ。また嫌な予感。


「小早川さんを描いてたんだよ」


スケッチブックを見せられる。



白い紙の上に、あたしがいた。

腕組みして眠っているあたしの姿が。

写真をトレースしたかのような正確さで。




…ぞっとした。
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