あたしと彼と白いキャンバス
でも、言わないわけにいかない。

新太郎先輩は篠宮先輩のことをすごく心配していたから。


「なんだ、つまんねーな」

「はいはい、すみませんね」

「そんであいつはお前の部屋でゴロゴロしてる、と」

「はい」

「お前、警戒心ねーなー」


あたしだってそう思うけど。

揺すっても頭叩いても布団に包まって動かないから、仕方なく置いてきたんだ。




「で、千里が部屋にいんのにお前だけわざわざ学校に来たってのは、なんか理由があんだろ?」


新太郎先輩はそう言ってあたしを見てから、潰したあんぱんに噛みつく。



相変わらず鋭いな、この男は。
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