あたしと彼と白いキャンバス
でも、


「――ねえ、もうやめようよ…」




その声があたしの心臓を震わせた。


志乃の声、だ。

柔らかくて可愛くて女の子らしい、でも最近は聞いていなかった志乃の声。



「やめるってなにを」

「もういいじゃん。結ちゃん、千里先輩と会ってないみたいだし…」

「はあ?」


志乃の言葉に反応して、他の女子の声がきつくなった。



どうしよう。

あたしの麻痺した感覚がどんどん解けてなくなっていく。

だって志乃があたしを庇っている。

志乃が。
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