あたしと彼と白いキャンバス
室内の蛍光灯が白いカーテン越しに先輩を柔らかく照らしている。

キラキラと。

そのまま絵に出来そうな美しさで。



艶のある黒い髪。

長い睫毛が縁取る涼しげな目元。

整った顔立ちは中性的で、背の高さとアンバランスで危うい印象を抱かせる。

ラファエロ・サンティの描く女性のような、完璧な美貌だ。




あたしははじめて先輩の顔をきちんと見つめた気がする。


「モデルになってほしい。小早川さんをちゃんと描いてみたいんだ」


唇の動きまで綺麗だった。


「………考えて、みます」
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