あたしと彼と白いキャンバス
19.決意
朝。


夢も見ずに熟睡していたあたしの意識を呼び戻したのは、枕元の携帯だった。


いつもマナーモードに設定しているのにその夜はなぜかそれを解除していて。

ウィスパーボイスの女性ボーカルが特徴的なUKロックに脳味噌を叩かれる。



「……なんだい?」


薄暗い部屋の中、

いかにも眠いですって感じの篠宮先輩の声が耳に届く。


「なんか、電話が」


答えながら画面を確認すると、ミカさんの名前が表示されていた。

時刻は午前6時。



…こんな時間にミカさんから?
< 240 / 321 >

この作品をシェア

pagetop