あたしと彼と白いキャンバス
私服姿の志乃と先輩たちの手には、バッグや紙袋が下げられている。


「えっと。…狭い部屋ですけど、どうぞ」


部屋に招き入れると、志乃はきょろきょろと視線を動かす。

ちょっと恥ずかしい…。


「結ちゃんの部屋って綺麗に片付いてるねえー」

「そうかな」


なんて。
ついさっきまで片付けてたんだけど。


「あたしの部屋、もっとごちゃごちゃしてるよ。雑貨大好きだからー」

「俺の部屋もごちゃごちゃしてんだよなあ。志乃ちゃんと一緒」


そう言って志乃の手をがしっと握った新太郎先輩。
その黄色い頭を篠宮先輩の手がばしっと叩く。


「お前の部屋はゴミ溜めっていうんだよ。志乃さんと一緒にするんじゃない」
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