あたしと彼と白いキャンバス
志乃はいそいそとキッチンに向かう。

ついていこうとすると、「だめー!」と叫ばれた。

な、なぜ。


「結ちゃんはあっちで座っててー!」


あたしは志乃にぐいぐいと背中を押され、キッチンから追い出されてしまった。





しばらくして、キッチンから志乃が出て。


薄く切ったフランスパンやゆで卵、様々な温野菜、ハムにウインナー、プチトマトなんかがのった皿と、

溶けたチーズが満たされた小さい鍋がテーブルに運ばれる。


「これって…チーズフォンデュ?」

「うん。この間、うちのお母さんが興味本位でフォンデュ鍋のセット買ってきてね。借りてきちゃった」
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