あたしと彼と白いキャンバス
あたしに抱きついている志乃は、幸せそうにむにゃむにゃと口を動かしている。

赤ちゃんみたいで可愛い。

可愛いけど、身動きがとれなくて困る。


「ごめんね…」


あたしは小さな声で謝ってから、志乃の腕を外した。




ベッドから離れてると酷く寒い。


あたしはテーブルに置きっ放しだったコーラに手を伸ばして、

ベランダに篠宮先輩がいることに気づく。



コートを羽織った彼が、窓の向こうで空を見上げている。



コーラを飲み込んで喉を潤したあたしは、いそいそとコートを羽織り。

篠宮先輩を追ってベランダに出た。
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