あたしと彼と白いキャンバス
「いいよ。どこ?」

「えっとね。えと。…まだ決まってないってゆーか」


なぜかしどろもどろになる志乃。

おもちゃみたいに視線がきょろきょろ動いてた。

あたしは首を傾げて志乃の顔を覗き込む。


「なにが欲しいの?」

「え。う。ま、まだそれも決まってない、かなあ?」


志乃は自分の髪を指に巻きつけながら、えへへっと誤魔化すように笑う。

挙動不審。

なんだか怪しすぎるんだけど…。


でもあわあわしている様子も可愛くて、問い詰めるのは可哀想な気がして、

あたしは笑顔をつくって志乃の提案を受け入れたのだった。
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