あたしと彼と白いキャンバス
国語の教師は生気のない痩せた男で、教育へのやる気が見えない。

教科書をただなぞるだけの詰まらない授業は、半数の生徒を眠りに誘う。


あたしも眠い。



「小早川さん。これ、まわってきた」


背中を突付かれて振り向くと、後ろの席の女子から紙を渡された。

小さく折り畳まれていて、

『小早川結さんにしっつも~ん!』

と丸っこい字で書かれている。



なんだこれは。

女子が授業中に手紙をまわしているのは知っていたけれど、

あたしにまわってきたことは今までなかったのに。
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