あたしと彼と白いキャンバス
折り畳まれたそれを広げると、うさぎに似たキャラクターものの便箋だった。


『冬休みはなにしてすごすの?

 えーがとか好き?

 いっしょに見に行こー☆』


誰?

宛名はない。


教室の中を見渡すと、志乃があたしを見ていた。

目が合うと笑って手を振ってくる。




――彼女はなぜあたしを気にするんだろう。


お人よしそうな彼女には友達がいる。

たくさんの友達が。

わざわざあたしに声をかける理由がわからない。
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