あたしと彼と白いキャンバス
6.嘘から
放課後、教室を出ようとするあたしに志乃が声をかける。
「あ、小早川さん」
「ごめん、忙しいから」
あたしは彼女と顔も合わせなかった。
彼女の顔を見るのが怖かった。
痛む胸を押さえて、美術室に逃げる。
先輩はイーゼルに真新しいキャンバスをセットしていた。
いよいよモデルの仕事がはじまるらしい。
「そこの椅子に座って。で、これ持って」
茶色い芋虫のぬいぐるみを渡された。
アメリカの子供番組に出てきそうな、ファンキーな顔が気持ち悪い芋虫だ。
「あ、小早川さん」
「ごめん、忙しいから」
あたしは彼女と顔も合わせなかった。
彼女の顔を見るのが怖かった。
痛む胸を押さえて、美術室に逃げる。
先輩はイーゼルに真新しいキャンバスをセットしていた。
いよいよモデルの仕事がはじまるらしい。
「そこの椅子に座って。で、これ持って」
茶色い芋虫のぬいぐるみを渡された。
アメリカの子供番組に出てきそうな、ファンキーな顔が気持ち悪い芋虫だ。