あたしと彼と白いキャンバス
先輩はあたしの姿を見つけると、王子様みたいな笑顔をつくりあげた。


「あ、小早川さん」


…やめてくだい。

一気に周りからの視線が鋭くなったじゃないですか。


「今、志乃さんと話してたんだけどね」


先輩はゆっくりと近付いてくる。

計算され尽くしたような優雅な歩き方。




「映画、一緒に行くことになったから」

「はあ?」



志乃の頬は赤く染まっていた。
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