あたしと彼と白いキャンバス
教室を出て行くとき、志乃を囲む女子たちがあたしを冷たい瞳で見る。

こそこそと耳打ちしあう者もいる。



手を振る志乃に、

あたしは手を振り返すことができなかった。





「なんだこれ、きっも!」


終業式のあとだというのに美術室には先輩がいた。

篠宮先輩と、なぜか新太郎先輩も。

新太郎先輩は赤ん坊代わりの芋虫を抱えて大笑いしていた。


「あーやっぱりきた。ほら、冬休み中のこと話さないといけないから」


篠宮先輩はあたしを見て微笑む。

新太郎先輩はニヤニヤしている。
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