あたしと彼と白いキャンバス
あたしは溜め息を吐きながら、先輩の番号とアドレスを携帯に登録する。

高校生活で二人目の登録者だ。




「なあなあ。志乃ちゃんってどんな子? かわいい? 美人? おっぱいでかい?」


新太郎先輩が興味深々の体で身を乗り出す。

年上のわりにガキ臭い。


「可愛いと思います。胸は知らないけど」

「そっかー。おっぱいでかいといいな。女の子はやっぱおっぱいだろ。俺様、おっぱい星人だし」


どんだけおっぱい言うんだこの人。

それから新太郎先輩はあたしをまじまじと見遣り、一言。


「――チビちゃんには残念賞を授与します。次回頑張ってクダサイ」


…ぶん殴りたい。
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