あたしと彼と白いキャンバス
家に帰ってから、クローゼットの中を見てみる。

悲しいほどロクな服がない。

『可愛い服』なんて皆無。


今まで誰かと遊びに行くことがなかったから、見た目を気にしたことがなかったんだ。



「服買おうかな…いや、別に先輩のためじゃないけど。うん」



志乃はきっと可愛い格好をしてくる。

だから志乃に呆れられないようにそれなりの格好をしていく必要があるんだ。

うん。

別に先輩とかは関係ないんだ。

うん。
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