あたしと彼と白いキャンバス
夜は雪が降った。

積もるほどじゃない。


「ホワイト・クリスマス、か…」


イベントに乗じて浮かれきったテレビ番組には興味が持てなくて、

あたしはテレビを切ってベランダに出た。



さすがに寒い。

吐いた息が白く染まって空に消えていく。



『エリカが結にクリスマスプレゼントを用意してたらしい。近いうちに取りにきなさい』


お父さんからメールが届く。

サンタの帽子をかぶった小さな女の子の写メが添付されていた。


「エリカ…」


あたしの妹は天使のように可愛い。
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