あたしと彼と白いキャンバス
「……志乃は篠宮先輩が好きなの?」


問うと、志乃の顔はますます赤くなる。


「…うん。だって格好よくて頭よくて優しいなんて、王子様みたいだよね」



優しいか?

いや、確かに女の子たちに囲まれているときの先輩は優しそうではあるけども。



思わず首を傾げてしまったが、もはや志乃の目にあたしは映っていない。


「千里先輩のお姫様になれたらいいなあ、なーんて」


あたしの目の前にいるのは、まさに恋する乙女だった。
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