あたしと彼と白いキャンバス
「小早川さんも俺とポップコーン分けようか。バター味でいい?」

「あ、…はい」



映画を観ている間、ちらちらと先輩の手が目に入った。


ポップコーンを取る。

口に運ぶ。

そんな何気ない仕草をする先輩の指は細くて長くて、でも節くれだっている。

色が白い。

皮膚がきめ細かい。

あ、爪のかたちも綺麗。



映画が終わった。

志乃は映画に感動して泣き、

新太郎先輩は眠そうに欠伸をして、

篠宮先輩はパンフレットを購入、

あたしはすぐに外に出て風にあたった。
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