「 CRAZY C@ 」
『二人は部活見ないの?てか見るよね?』
歓迎会が終わり放課後になると、
春日はわざわざ1年の階まで
あたしと優を部活に誘いに来た。
日和と薫はあのあと帰ったみたいで
姿は見当たらなかった。
『でも、今日やるバンドは雛鳥ほど上手くはないからちょっと物足りないかもなー。』
「あの雛鳥ってバンドが一高で一番うまいの?」
『いや、まだ他にもいるんだけどさ〜』
『だけど?』
『あんまコッチで活動しないで、みんな外なんだよね。』
少し悲しそうな顔をしながら春日は言った。
何故だかあたしは少しわかった。
年下、つまりあたし達とバンドをやっている春日は
これからやっと一高のバンドとして活動し始める。
友達が多い春日には
バンドをやってる友達も沢山いるのだろう。
やっと一緒に活動できるとなったときに
みんな外で活動しているのだ。
春日としては悲しいのだろう。
それなのに春日はバンドを掛け持ちすることなどは
頭にないらしい。
『CRAZY C@で俺は食っていくんだ☆』
なんて言い出したときもあった。
みんな笑って流してたけど、
あたしは素直に嬉しかった。