私とあなた。


そのとき、確かに鼓動が速くなったのを感じた。



さっきまでの怖かった気持ちはしゅるると風船がしぼんだように消えてしまった。


坂田君はどこかに行ってしまった。



…頭…。

坂田君がなでてくれたあたりの髪をそっと触れてみた。

そこだけ熱を持ってるみたい。

坂田君の手のちょっとゴツゴツした手の感触を思い出すと、

かぁぁと頬が熱くなるのを感じた。



一人で赤くなっていると、

「お待たせ」

といって、氷を持ってきてくれた。


「これをハンカチで包んで…ほらっ、目にあてとけばたぶん腫れも引く…と思う。」



私は最高の笑顔を作って、「ありがとうっ!」と言うと、

坂田君はふいっと顔をそらしてしまった。


そっ、そんな変な顔してた!?


「笑ってる方が可愛いよ」



ぽそっとそう呟いた坂田君の顔は真っ赤。


それを見てまた少し笑ってしまった私でした。






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