私とあなた。
教室の階まで着いて私は気づいた。
「あ、あのさっ!今私が坂田君と一緒に教室に入ったら、女子が怒るんじゃ…っ」
「…。」
それもそうだな、という顔でうなずいた坂田君。
「どうする?ココで一旦斉藤が先に行って、俺があとから行こうか?」
「じゃ、そうしよ…っか。」
寂しい気がした。
他の女の子を気にしないといけないのはなんだか悔しかった。
「んじゃ、あとで」
坂田君はそういうと、教室からは見えにくい位置に座って本を読み始めた。