私とあなた。
教室に入ると、みんな席には着いてなくて、ざわざわとした雰囲気だった。
「…あーっっ!!ゆかぁっ!どこ行ってたの!?」
教室に入るなり由梨が話しかけてきた。
「ごめ…救護の仕事が…あって…。」
「もー!そうならそうと早く言ってよね!ホンットに探したんだから」
「ごめん…」
ウソ…。
ウソをついてしまった。
今まで由梨に嘘なんてついたことなかったのに…。
ぽん、と口から出てきた。
なんだか、さっきのことは由梨にも知られたくなかった。
こんなことは初めてだった。