私とあなた。
秋
夏休みも終わり、2学期が始まった。
夏休みは目立った事件もなく、宿題をして、家族旅行を楽しんで終った。
「…おはよ」
そう私に声をかけてくれたのは、なんと、坂田君!?
「おっ、おっ、おはよっ!」
私はまたあの動悸と息苦しさにさいなまれながら挨拶を返す。
そしてさらに驚きの一言が!
「夏休み、どうだった?」
「えっ!?」
「…だから、夏休み!」
「えっと、普通に…宿題して、家族と旅行に行って…。」
「…友達とかと遊びに行かないんだ?」
「…あんまり友達いないから…。」
少し曇った表情を見せた私に坂田君は少し微笑んで言った。
「大丈夫、俺も。あんまり男友達いないし。」
「でも、女の子たちが…!」
「…あれって友達なのか?ていうかいい加減めいわくなんだけど」
…この一言でこの学校、いやこの街の何人の女の子が泣くのだろう?