私とあなた。
「あんたさ、斉藤ゆか?」
「はい…」
「ね、優輝にさ、頼まれたの。あんたが泣いてたから一緒に探して、って。」
「すみません…。」
「…ハァ」
大げさにため息をついてみせると、また先輩は私を見下ろすようにして、
「優輝に関わんないでよ。あたしがねらってるんだからさ。」
「…え?」
「あたし、これでももてるんだよ?何人も断ってきて、ずっと優輝を見つめてた。あたしがサッカー部のマネージャーになったのは優輝のため。1年間かけて積み上げてきたあたし達のこの関係。壊す気?」
とげとげしく冷たい言葉を言い放たれた私は怖くなった。
「…ぇっと…」
「…ハァ。ま、いいけど?あたしに勝負挑むなら挑めば?ま、あんたに勝ち目はないでしょうけど」
評判とは違いすぎる相沢先輩にどうしたらいいか分からなくなった。