はちみつレモン

翔太の優しい香り。


「・・・なに?」


一瞬翔太から

消えた笑みは

すぐ帰ってきた。

そして

あたしを見下ろしている。

懐かしかった―・・・。


『・・・あっ、
 な、なんでもないっ』


作り笑いをするあたし。

どうしていいのか

まったく分からなかった。

すると

和が翔太に話しかけた。


「今度カラオケ行ーぜっ」


翔太は笑って

「OKOK」と言って、

歩き出した。

いつもの翔太の笑顔が

すごく

すごく

まぶしく思えた。

なんで

告白なんてしたのか、

今だとすごく後悔してる・・・。

告白しないほうが、

翔太のそばで

笑えていた気がする・・・。

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